沖縄で生まれ育った私が感じた、映画『宝島』と過去への想い

映画『宝島』を観て感じた、沖縄の戦後と今

先日、映画館へ行って 『宝島』 を観てきました。


舞台はアメリカ統治下の沖縄。戦後の混乱や、当時の人々の思いがリアルに描かれていて、胸にぐっとくる作品でした。

私自身、沖縄で生まれ育ったので、この時代背景には特別な思いがあります。


今日は映画を通して感じたこと、そして今の沖縄との違いについて書いてみようと思います。

アメリカ統治下の沖縄を描いた映画『宝島』

作品の舞台は、アメリカ統治下(1945〜1972年)の沖縄。


原作をもとに映画化されており、フィクションではあるけれど、限りなく現実に寄せて描かれています。


当時の社会情勢や人々の暮らしがとても生々しく、スクリーンを通してしっかりと伝わってきました。

小説や歴史の本を読むのは、私にとって少しハードルが高いのですが、映像として描かれることでスッと心に入ってきて、当時の沖縄を身近に感じることができました。

今は観光地として知られる沖縄。
でもその裏には、こうした歴史と多くの人々の思いがあったということを、改めて知ることができて本当に良かったと感じています。

今の沖縄と、昔の沖縄の違いを考える

生まれ育った沖縄と、映画で見た沖縄はまるで別世界でした。


当時は自由も限られ、物資も少なく、アメリカの影響がとても強かったそうです。


今の沖縄の暮らしの豊かさや自由は、当時の人々の努力の上に成り立っているものだと改めて実感しました。

観ながら、昔聞いた話がいくつも思い浮かびました。


本土復帰のとき、ドルから円に変える必要があったこと。
右車線から左車線に変わったこと。


石垣にある「730(ナナ・サン・マル)」の碑は、その記念に建てられたものです。


昔は沖縄へ行くにもパスポートが必要だったと聞きました。

沖縄の人たちは郷土愛がとても強く、「沖縄以外はみんな内地の人」とよく言ったりします。


そういう昔の背景が、今の沖縄の文化やアイデンティティにもつながっているんだなと改めて感じました。

過去を知ることは、今を大切にすること

3時間を超える長編映画でしたが、観終わった後はたくさんのことが頭をよぎり、胸の中にいろんな思いがあふれました。


歴史を知ることで、今の暮らしのありがたさを改めて感じることができたし、自分のルーツや沖縄の文化を見つめ直すきっかけにもなりました。

以前、友人に「沖縄に基地があることをどう思っているの?」と聞かれたことがあります。


私は、統治下の時代があったからこそ、今の沖縄にはアメリカの文化も混ざり合い、独特の雰囲気があると思っています。


その文化のミックスが、私はとても好きです。

もちろん、それは賛否両論あるテーマですし、基地問題はいまも完全に解決しているわけではありません。


でも、その中で沖縄のために行動してきた人たちがいることも、私は知っています。


結局は「国と国」よりも「人と人」。お互いの文化を理解し、尊重し合うことが大切なのだと思います。

当時を知っている方々も、これから少なくなっていきます。


その現実を映画として残してくれたことに、とてもありがたい気持ちでいっぱいです。

まとめ

『宝島』は、ただの映画ではなく、沖縄の戦後を感じられる一つの「窓」でした。


今の沖縄の美しさや穏やかさは、この歴史の上にあります。


そして、映画に出演している俳優さんたちの迫力ある演技に圧倒されました。

うちなーぐちが自然に使われている場面や、妻夫木くんの「なんくるならーん」のシーンはとても印象的で、よりリアルに沖縄の文化や雰囲気を感じることができました。

私たちができるのは、この島の過去を知り、未来へつないでいくこと。

もし興味がある方は、ぜひこの映画を観てみてください。
きっと、何か心に残るものがあると思います。

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